最高裁判所第一小法廷 昭和42年(オ)246号 判決 1968年9月12日
上告人
中内勲
ほか三名
右代理人
小久保文雄
被上告人
林一雄
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人小久保文雄の上告理由第一ないし第四について。
原審における弁論の全趣旨によれば、被上告人が贈与により本件不動産の所有権を取得した旨の主張には、死因贈与による取得の主張も含まれているものと解される。従つて、原判決が、被上告人は上告人ら先代中内さきから本件不動産の死因贈与を受け、その所有権を取得したと認定したことは、何等当事者の主張しないことを認定したものではない。そして原審の事実認定は挙示の証拠によつて肯認し得、原判決には何等所論の違法はない。それ故、論旨は採用し得ない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(松田二郎 入江俊郎 長部謹吾 岩田誠 大隅健一郎)